工場見学で知る「お水がいらない 鍋焼うどんができるまで」
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キンレイの象徴「お水がいらない 鍋焼うどん」は、どのように生み出されるのでしょうか。普段は非公開の工場内部をめぐりながら、想いを込めた「おいしさへの道のり」をご案内。
キンレイ大阪工場
1982年、大阪府高石市で「泉北工場」が稼働開始。2017年に岸和田市に移転して現在の「大阪工場」に。「筑波工場」「亀山工場」と合わせ、現在は3工場体制で全国に商品をお届け中。今回ご紹介する大阪工場では、鍋焼うどんや四海樓ちゃんぽんなど、キンレイを代表する冷凍麺の数々が日々生み出されている。
すべての製造工程には「おいしい」に繋がる意味がある
冷凍食品工場というと、大型機械がオートマチックに稼働しているイメージを持つ方が多いかもしれません。
けれど、キンレイの工場を訪れた方からは「想像以上に人の手間暇がかかっている」「だしの香りが立ちのぼり、まるで厨房のよう」 といった驚きの声をよくいただきます。
キンレイのものづくり、その根底にあるのは、専門店さながらのおいしさを冷凍で表現すること。ご家庭で鍋を火にかけ、ぐつぐつ温めて、口に運ぶ──その瞬間がおいしさのピークになることを常に意識して、商品を設計しています。
安全・安心の確保は、もちろん大前提。そのうえで「どうしたら、目指すおいしさを引き出せるか」を追求し、だし、麺、具材、凍結に至る全工程に「そうすべき理由」が生まれました。それらを積み重ね、手間を惜しまずに日々動き続けているのが、キンレイの製造現場なのです。
工場を実際にまわるような気持ちで、ぜひお楽しみください。
STEP1「だし」
まずは、食欲をそそる豊かな香りに包まれた「だし」エリアからご案内しましょう。
「おいしい」をとことん追求するべく厳選した昆布や鰹節類を使いますが、大切なのは「良い素材を使うこと」だけではなく、「旨みを引き出すために、どのようなやり方を選択するか」。真心の手仕事を大切にするキンレイらしさが随所に光るセクションです。
1. 昆布と水を大釜に入れ、しばらく浸水させて旨みを引き出します。
「だしへのこだわり」として昆布や鰹節などの原材料を吟味するのは当然ですが、それだけではありません。使用する水によってもだしの味わいが大きく変わるため、硬度をどの程度に設定するかという点も非常に重要な要素なのです。
2. 鰹節をはじめとする節類を工場内で削ります。
だしを取るタイミングに合わせて、必要な分だけをその都度削る。そのひと手間を取り入れることで、“削りたてになるべく近い状態”の風味や旨みをだしの中に閉じ込めています。
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50年目に挑んだ「自社削り」風味際立つ鍋焼うどん
鰹節をはじめとする節は削りたてが一番。その風味をだしに活かせたら、鍋焼うどんはもっとおいしくなる!試行錯誤の末たどりついたのは、工場内で節を削ってだしを取る「自社削り」の工程でした。




3. 節を削るのと同時進行で、昆布からだしを取る作業も行います。大釜で浸水させた後、一定の温度で加熱し、旨みを引き出します。
昆布だしは、沸騰させるとえぐみが出てしまうので、その前に引き上げるのが基本。低温でじっくりと「甘さのある旨み」だけを抽出する和食専門店のやり方を工場でも忠実に実践すること。それが、キンレイの「当たり前」です。

4. 昆布を取り出したら、先ほど「厚削り」にした節類を投入します。
昆布と違い、節類はぐらぐらとしっかり煮込むことで、旨みと風味を引き出すことができます。この工程には、厚めの削り方が向いています。

5. さらに香りを豊かにするために、追い鰹で仕上げます。
先ほどの「厚削り」は味をしっかり出すのが主目的でしたが、追い鰹は味というより香り・風味づけ。加熱しすぎるとせっかくの香りが飛んでしまうので、火を止めてから、花を散らすようにまんべんなく入れていきます。お届けしたい風味になるよう、追い鰹に使う鰹節は産地まで細かく指定しています。

6. 追い鰹を濾し取ったら、選りすぐりの淡口醤油や本みりんなどで味をととのえます。
7. すっきりと澄んでいながら濃厚で優しい旨みと、食欲をそそる芳醇な香りをぎゅっと閉じ込めた渾身の特製だし、完成です!
キンレイが大切にするのは「関西のうどん文化」。素材本来の旨みや風味を余すところなく引き出しただしで、風味豊かに仕上げます。

STEP2「麺」
だしと並ぶ、もうひとつの主役が「麺」です。
キンレイの麺づくりは、麺単体のおいしさを追求するものではなく、家庭のお鍋で煮込まれてだしと一体となったとき、全体として一番おいしくなること。そこをゴールに、麺を設計しています。
鍋焼うどんの場合、お店で煮込まれ、角が取れて出汁を含んだ、ちょっとくたっとしたあの状態。キンレイが目指す「お店で煮込まれた関西風の鍋焼うどん」を家庭で手軽に楽しんでいただけるように──すべてはそこに向かっています。
1. 目指す麺の状態に合わせて、小麦粉を選定・配合します。

2. 配合した小麦粉に水を加え、生地を練り上げます。

3. 生地を一定時間休ませて、粉と水が自然になじむのを待ちます。
4. 工場内を走る製麺ラインで、生地を圧延機に通して帯状に薄く伸ばします。
多段階で徐々に薄くすることで、「これぞ、関西風うどん」とキンレイが考える、ほどよい弾力を引き出します。

5. 鍋焼うどん用の「切り刃」でカットします。メニューごとに異なる切り刃があり、これを替えることで麺の太さや形状を変えています。

6. 切った麺は真下の階の「茹で槽」にそのまま投下され、茹で上げます。

STEP3「凍結」
次にお見せするのは、「凍結」の工程です。
冷凍食品メーカーとして、凍結の技術やノウハウは十分に蓄積されています。それらを持ってすれば、あとは「おいしい商品を開発してそのまま凍結すればいい」と思われるかもしれません。しかし、実際にはそれほどシンプルな話ではないのです。
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おいしいままで凍らせたい!そして生まれた三層構造
冷凍うどんに、夢を見た──試作、失敗、また試作。それでも日々の開発が楽しくて、あきらめるなんて誰も考えなくて。おいしさを追究し続けた開発現場が、三層構造にたどり着くまで。
キンレイ独自の「三層構造」を実践するために、工場で取り入れたのは「二段階にわけて凍結させること」でした。
というのも、STEP1でご覧いただいた「こだわりのだし」は、あの時点ではまだ熱々なので、それをすぐに凍結させるわけにはいきません。100℃近い大量の液体をマイナス20℃に持っていくには、いくら急速凍結とはいえ相当な時間を要します。それでは、せっかくの風味や旨みが飛んでしまう。麺に関しても、茹でてから凍結までに時間がかかれば、食感や香りが劣化してしまいます。
そこで、まずは一番下の層になる出汁を凍結、その上に麺と具材をのせてからさらに凍結、という「二段階にわけた凍結」の工程を取っています。大量生産の工場でこの「二段凍結」を実践するのは、じつは簡単なことではありません。連続的に凍らせる生産ラインが必要なので、大型のトンネルフリーザーを2基導入し、手間もコストも惜しまずに、おいしさを追求しています。
だしを炊き、麺を茹で、具材をのせる──その流れは、お店そのもの。最後に「凍らせる」という工程を経てもなお「つくりたてのおいしさ」を食卓までお届けできること。かつ、お客様は「温める」というシンプルな作業だけで味わえること。そのゴールに向けて、工場全体が動いています。
1. STEP1の「だし」を巨大装置で新鮮なまま凍結します。


STEP4「盛り付け」
1. 凍結した「だし」の上に麺をのせます。

2. ひとつひとつの具をひとりひとりの手で並べます。

3. 盛り付けが終わったら、この状態で再度凍結させます。


STEP5「梱包」
1. 容器がはずされ、商品として梱包されます。




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