50本の記事から見えた
「キンレイのおいしさ」とは

発見 50

50周年を記念した連載も、いよいよ50本目の最終回。取材を通して見えてきた「キンレイのおいしさ」の正体は、つくり手から始まり、みなさまの食卓を経てめぐり続ける熱の物語でした。

50周年を記念してスタートした当特設サイトの連載も、この記事をもって50本目の節目を迎えました。これまでお読みいただいたみなさまに、心より感謝申し上げます。

この50周年事業は、単なる過去の振り返りではありませんでした。これからのキンレイのあり方を再発見するための、大切な探究の期間でもありました。私たちは「キンレイのおいしさってなんだろう」という、とてもシンプルで根源的な問いを掲げ、50本の記事を通じてその答えを探してきました。

すべての取材とリサーチを終えた今、私たち編集チームは、キンレイのおいしさの中核にあるものを、ひとつの言葉で表すことができると感じています。それは「熱」です。

しかし、それは決して私たちキンレイの中だけに閉じた言葉ではありませんでした。リサーチを通して気づけたのは、おいしさを生み出し、届ける過程には「自分たちの熱だけではなかった」ということです。そこにあったのは、パートナーのみなさま、そして商品を食べてくださるお客さまも含めた、ステークホルダー全体で分かち合える共通の「熱」の存在でした。

すべての根源としての「つくり手の熱」

あらためて再認識したのは、キンレイの活動の起点には、私たち自身の「つくり手の熱」があるということです。この熱こそがキンレイのアイデンティティであり、おいしさを生み出す確かな原動力になっていると感じています。

例えば、創業時に「食品ではなく料理を作る」という目標を掲げ、マイナスの冷熱を活かして三層構造の冷凍うどんを開発したとき、そこには新しい価値を届けたいという強い想いがありました。その精神は今も変わらず、工場の常識では考えにくい「自社削り」工程の導入、専門店の味わいを目指した特注の鉄鍋導入など、専門店から料理の本質を学び、紐解き、技術に落とし込む活動を続けています。

また、監修店との商品開発では、理想の味にたどり着くまで、40回以上も試作を繰り返すことも珍しくありません。0.1%単位での原材料の配合調整や、数十種類の小麦品種からの選定、原料ごとにベストなタイミングで炊き出すお店さながらのスープづくりなど、細部まで徹底的に突き詰める姿勢を持っています。こうした良いものをつくりたいという純粋でひたむきな想い、つまり「つくり手としての熱」が出発点となり、キンレイの味を形づくっているのだと強く感じました。

商品開発部
発見15「問い続けるのは誰にとってのおいしさか?」
生産部
発見17「品質と生産効率のバランサー」
発見36「50年目に挑んだ『自社削り』風味際立つ鍋焼うどん」

交わり、広がる「熱の伝播と共鳴」

キンレイのものづくりは、原材料メーカーや監修店、過去の食文化を探究してきた人々や地域のおかげで成り立っています。パートナーのみなさまは、同じものづくりのチームです。今回の50本の記事をつくり上げる過程で改めて見えてきたのは、私たちが持つ熱が、パートナーのみなさまが持つ熱と触れ合い、互いに交わりながら、より大きく広がっていく姿でした。

ともに歩むパートナーのみなさまもまた、私たちと同じように強い「ものづくりへの熱」を持っています。私たちが妥協なくおいしさを追究しようと真正面からぶつかるとき、私たちの熱は、パートナーのみなさまが持っている熱と交わります。

監修店と「どこまで理想の味に近づけるか」と向き合う中で、「キンレイのものづくりへの覚悟が伝わってきた」と言って、踏み込んだアドバイスをいただけたこと。

原材料を届けてくださる生産者が、「一緒に極めよう」と、私たちのこだわりを支えるために枠を超えた協力を惜しまずにいてくださること。さらに、キンレイの想いや品質に共感し、「いいものを届けたい」と共同開発してくださる流通の方々や、私たちの取り組みを深く理解し、発信してくださる業界メディアのみなさまの存在。

私たちの内側から始まった熱は、まわりの方々の熱と響き合い、掛け合わされることで、より豊かで確かなものへと育まれていました。

カドヤ食堂
発見05「ふわっととけるワンタンめん 心に残る一杯を」
飯田商店
発見06「飯田商店と挑んだ最高峰の一杯」
発見33「とみ田とキンレイが本気で『うまい濃厚』を極める」

お客さまの食卓で、やさしい温かさに姿を変えて

そして何より大きな気づきは、この熱がお客さまのもとに届いたとき、その人それぞれの暮らしに寄り添う「温かさ」へと姿を変えていたことでした。

お客さまは、私たちの「ものづくりの苦労」や「こだわりの数値」をそのまま食べているわけではありません。アンケートに寄せられた数々のエピソードには、私たちが想像していた以上の、多様な「熱」のあり方が描かれていました。

育児や仕事に追われ、心が折れそうになった深夜。お鍋ひとつで出来上がる温かいうどんが、自分を少しだけ取り戻させてくれる時間になっていたこと。
受験勉強を頑張るお子さまへの、夜食を通じた静かな応援になっていたこと。
体調を崩した時の安心感や、登山などの特別な場所での心強さ。そして「この味を見ると、家族との大切な思い出が蘇る」という記憶の熱。

私たちが工場で込めた実直な「つくり手の熱」は、お客さまの食卓という場所で、それぞれの日常を支える「心のゆとり」や「安らぎ」といった、形も色も違うやさしい熱へと変換されていたのです。

発見21「組合員の声を大切にするコープ商品とのものづくり」
発見35「みんなのキンレイ愛で紡がれた『キンレイソング』」
発見39「それぞれの暮らしの『キンレイ時間』」

めぐり還ってくる熱とともに、次の50年へ

この物語には、さらにその先がありました。

お客さまの暮らしの中で生まれた「温かさ」は、再び私たちキンレイのもとへ還ってきています。

お客さま相談室に届く「おいしかったよ」というお声や、「忙しい時に助かっている」という感謝のメッセージ。あるいは、厳しいお叱りの中にある「もっと良くなってほしい」という期待。ラジオ番組を通じてリスナーのみなさまが寄せてくださる、驚くほど深いキンレイへの愛着。こうしたお客さまからの熱を受け取ることで、私たちの「また次も、絶対においしいものをつくろう」という熱が、より一層強く灯されます。

自分たち起点の熱が、パートナーと共鳴し、お客さまの食卓で温かな時間に変わり、そしてまた、私たちを突き動かす力として還ってくる。

これこそが、50周年事業を通して私たちがたどり着いた、「キンレイのおいしさ」を支える「熱の循環」です。
私たちはこれからも、この熱の循環が途絶えないよう、まず私たちが、いいものをつくりたいという純粋でひたむきな想いを燃やし、受け継いでまいります。そして、関わるすべての人、何よりお客さまと分かち合っていけるブランドでありたいと考えています。

50本の記事を通じて私たちの活動を知っていただき、そしてみなさまご自身の温かい想いを分けてくださり、本当にありがとうございました。

キンレイはこれからも、日常にホッとできるひとときを届けるために、歩みを止めることなく、努力を重ねてまいります。

これからのキンレイにも、どうぞご期待ください。

発見31「ご当地ラーメン開発の舞台裏とこれからのキンレイ」
発見45「専門誌記者に聞く『これからのキンレイに期待すること』」
発見23「鍋島焼に学ぶおいしさ 土地の営みが育む、ものづくり」

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