とみ田とキンレイが
本気で「うまい濃厚」を極める
発見 33
超濃厚な豚骨魚介の名店『とみ田』とキンレイが、本気で挑んだ50周年プレミアム企画。店主の思い入れも強い創業の味をおうちで味わえる特別な一杯へ──開発の舞台裏に迫ります。
中華蕎麦 とみ田 店主・富田治さん
『東池袋大勝軒』創業者・山岸一雄氏に憧れて業界入りし、田代浩二氏の下で修業を積む。2006年、千葉県松戸市に『中華蕎麦 とみ田』を開業。超濃厚豚骨魚介つけ麺と自家製極太麺で全国的な評価を確立し、TRYラーメン大賞「名店つけ麺部門」では殿堂入り。現在は国内外へ展開し、つけ麺、ラーメン文化の発展に力を注いでいる。
キンレイ 営業本部営業部・澤田
とみ田さま担当として今回の企画に携わりました。長年お付き合いをさせて頂いておりますが故に、とみ田社長のこだわりや熱い想いを知っているため心を引き締めて商談させて頂きました。
とみ田社長の麺はもう芸術の域だと思っています。お名前をお借りする事の有難さを皆さんに知ってもらえると幸いです。
キンレイ 営業本部企画部・宮井
商品の企画を担当しました。今回は、お店に無いメニューを作り上げることへの不安が大きかったですが、パッケージや味の方向性について開発・営業一丸となり、取り組みました。商品化にあたり、「お客様に支持いただくためには」という富田店主の考え方を深く学ばせていただきました。本店のイチ押しは、つけ麺の麺とスープそれぞれに卓上のぶどう山椒をかけて食べることと夏場限定の二ボコンです!
圧倒的濃厚感! 『とみ田』の味わいを冷凍で表現したい
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待望の濃厚系プレミアム、ついに登場ですね! 開発を振り返っていかがでしたか?
澤田
今回は「お水がいらない」シリーズなので、『とみ田』さんの看板商品である豚骨魚介の「つけめん」ではなく、「ラーメン」なんです。店頭にないメニューという難しい企画ですし、弊社としても明確な指標がない中、かなりチャレンジングな開発をさせていただきました。
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その難しさの中で、どんな味わいを目指しましたか?
富田
魚介と豚骨を合わせたラーメンは、僕にとって「創業の味」。思い入れも当然強いですし、今回はキンレイさん50周年記念のプレミアム企画なので、絶対にうまいものにしたいと思いました。
ラーメンって、「癖になる」というワードを僕は重要視しています。何回も食べたくなる、まさに癖になる味わいを目指して、細かいところまで調整していただきました。開発の方たちが粘り強く取り組まれたので、本当に癖になるような、インパクトも旨味も十分に感じられる仕上がり。麺もしっかりとした食感が楽しめる太麺です。
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「癖になる」を富田さんなりに分析されると、どんなイメージですか?
富田
まず、わかりやすい味付け。「これは何の風味?」と、だしや素材を探るようなラーメンも確かにおいしいんですが、僕が求めているのは「うまい」なので。おいしいとうまいって、質が違うと思うんです。僕は、「うまい」というわかりやすい感覚をずっと大事にしてきました。「うまい!」「また食べたい!」それが、「癖になる」感じかなと。
宮井
最初に今回のご相談をしたとき、「おいしいのは当たり前で、お客様から支持されないといけない。その指標として売れることもやはり大切」とおっしゃっていたのが印象的でした。他企業さんとの取り組みでも経験を重ねられた上でのお言葉なんだなと。
「癖になる」「また食べたくなる」というのも、そういうところとリンクしているのかなと感じました。
富田
1回食べて終わり、だと意味がないですもんね。スーパーやコンビニはデイリーで使っていただく場所なので、店舗のように「今日は特別だからこれ食べよう」だと成り立たない。むしろ「今日もこれにしよう」と選んでいただかないと。
売れた数字というのがお客様の喜んでくれている度合いと比例すると僕は思っています。数字を意識しないと、商品を継続できないですし。長く愛されるというのも大事。それこそ癖になる感じで、何度でも買っていただきたいですよね。
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どんな方に食べてほしいですか?
富田
本当は幅広い層にと言いたいところですが、僕のスープは若年層にささる味付けなんです。おじいちゃんやおばあちゃんが、意図せず間違って購入されると「随分濃いわね」って思われちゃうかも。なので、メインは20〜40代ぐらいの男性でしょうか。
澤田
普段のキンレイは、鍋焼うどんなら50〜60代の男女、ラーメンは30〜50代の女性が購入してお子さんやご主人も召し上がるという感じなので、今回はさらに若い方にもお届けできたらと。富田さんは「濃厚・がっつり」のイメージを確立されているので、そこを求めて購入される方にもご満足いただけると思います。
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「おうちで楽しめる濃厚系ラーメン」を探している方は、迷わず冷凍食品売り場へ!ですね?
富田
はい、ぜひ。圧倒的濃厚感を目指しましたので、一口食べただけで「わっ」とインパクトがあって、「うん、こういう味ね!」というわかりやすいうまさが楽しめますよ。

残渣感と立体感が決め手!? 「濃厚スープ」ができるまで
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圧倒的濃厚感、その開発で特に難しかったポイントは?
澤田
肉感といいますか、ミンチの残渣感をとどめることです。これは富田さんが大切にされていることですし、重要なポイントになると考えていました。ただ、冷凍食品のスープを作る中で「残渣感を活かす」というのは結構、難しいんです。まずそこをどう工夫するかがひとつのカギでした。
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そのあたり、富田さんはどう考えておられますか?
富田
普通はスープに極力不純物を入れず、きれいに漉すんです。でも僕は、素材から出るいろんな要素をあえて残したくて、荒い網で漉したりします。うちのお店でつけ麺を召し上がっていただくと、そういうものがしっかりと麺に絡みついてきます。それもうまさだと考えているので。
メーカーさんが大量にスープを生産される中では確かに大変だと思いますが、今回はそこも丁寧にやっていただいて。結果、僕が大事にしている濃厚感がより一層伝わりやすい仕上がりになりましたよね。
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魚介の風味の出し方についても、試行錯誤されたのでは?
澤田
トップに来るフレッシュな魚粉感を大事にされていると最初に伺っていたので、魚粉をスープの中に入れるのか、スープと麺の間なのか、具材の上なのか…細かいところで最終的な味が全く変わりますから、いろんなパターンを試しました。
宮井
最初にみんなで試食したのは開発担当者が8時間煮込んだスープで、「十分においしいね」という完成度だったのですが、やはり工場の工程に落とし込むにあたって開発チームが引き続き何パターンも試作を重ねました。開発チームは普段大阪にいるのですが、いよいよ大詰めというタイミングで東京に来てもらい、営業・企画の我々も総動員で、さまざまな組み合わせを試しまして、すべて合わせると50〜60パターンはサンプルを作ったと思います。それを経て、ようやく富田さんに見ていただけるところまで仕上げていった感じです。
富田
お付き合いが長いので、ベースの雰囲気はわかっていただいているだろうと信頼していました。でも、そのベースがあった上でも、さらに半年かかったんですよね。頑張っていただいたと思いますよ。
澤田
生産ラインに落とし込めるような目途をつけつつ、一方で開発もするという作業を並行して行いましたので、実際かなりのスピード感が必要でした。でも、いいものを作るためには、今までやっていなかったチャレンジを積み重ねるしかありません。50周年を迎える取り組みとして、初めてのことにいろいろ挑戦できたのは本当に良かったと思っています。
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豚骨と魚介のバランスは、どう調整されたのでしょうか?
宮井
何度かご試食いただく中で、「関東っぽい」「大阪っぽい」と指摘されることがありまして。私たちとしてはそこを読み解きながら最適な落としどころを探っていったんですが、そのバランスは開発チームでもかなり苦労していました。
富田
肉吸いっぽかったんですよ、最初の味付けは。甘さが前面に出ている感じ。
澤田
大阪の味に慣れ親しんでいるので、魚介に寄りすぎると、どうしても豚の甘みを足したくなるんです(笑)。でも試行錯誤するうちにわかったことがあって。それは、豚が強すぎると均一感が出る→角が取れる→まろやかになりすぎる、という構図です。富田さんが求めておられるのは、ある意味、不均一さ。味の立体感なんですよね。
富田
そうですね、スープを飲んだときの味の変化というんでしょうか、魚で入って豚骨で抜けていく、みたいな。動物で入って動物で終わるのではなく、もっと複雑な、層のある味が好きなんです。
宮井
難しかったからこそ、お墨付きをいただけてホッとしていますし、私たちもさらに頑張って売っていかなくては、と決意を新たにしています。残渣感や立体感を内包した濃厚なスープのうまさをぜひ多くの方に味わっていただきたいです。

キンレイの麺は冷凍で一番おいしい─その理由とは?
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続いて、麺の仕上がりについても伺えたらと思います。
富田
キンレイさんは元々、麺づくりが上手なんです。僕、外で買う麺製品の中で冷凍が一番おいしいと思ってまして、その中でもキンレイさんの麺は最高においしいんです。今回、最初にサンプルをお持ちいただいたときも、「もしダメだったらいろいろ言ってやろ」とか思ってたんですけど(笑)、最初から非常にいいものができていて。
そこからさらにブラッシュアップして、最終的に太麺好きな僕が満足できるような、食感も旨味もしっかりした麺に仕上がりました。
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キンレイの麺がおいしい秘密はどこにあると思われますか?
富田
生麺の状態なら、どのメーカーさんでもある程度の完成度は出せると思うんです。でも“茹でて冷凍する”という工程を経てもおいしいというのは、また別の技術。そこも含めて上手なんだと思います。工場を見せていただいたことがありますが、茹でたてのおいしさをそのまま冷凍するという、あの技術。シンプルだからこそ、大事なんじゃないでしょうか。どうですか、澤田さん?
澤田
それも、あります(笑)。弊社はマニアックというか、効率を求めずにとことん突き詰めるという社風です。麺についていえば、配合に使う小麦粉の選択肢は100種以上。その中で、目指す風味や食感をひとつひとつ作っていきます。一般的にはあらかじめ配合されたブレンド粉を使うメーカーが多いので、小麦の配合にここまで細かい幅を持たせられるというのは、強みかなと。
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今回かなりの太麺ですが、すでに発売中の「飯田商店」「カドヤ食堂」は細麺です。富田さんは飯田さんとご親交もあるそうですが、飯田商店のプレミアム商品も召し上がりましたか?
富田
はい、すごくおいしいですよね。あの味であの値段はすごいと思いますし、うちも飯田くんに負けないようないいものを、と思いながら取り組みました(笑)。飯田商店のあの細麺と、今回の太麺。小麦の風味も麺の食感も、本当に同じメーカーが作ったの?というくらい違うので、食べ比べていただくと面白いと思いますよ。
宮井
さまざまなジャンルの監修をされている富田さんから、冷凍麺が一番おいしい、その中でもキンレイが・・・というご感想をいただけたことが本当に嬉しいです。冷凍食品はできたての状態をそのまま凍らせるので、余計なものは一切入れず、お店のようにこだわった作り方をすることができます。それがおいしさや安心につながっていることをもっと広めていかなければ、と改めて思いました。

冷凍食品の壁を越えたい!「人」が支えるこれからのこと
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長いお付き合いが続く秘訣は何だと思われますか?
富田
商品の中身はもちろん重要ですが、結局人との繋がりです。長い付き合いなので担当も変わりますが、みなさん一所懸命やってくれます。
たとえば、キンレイのみなさんは頻繁にお店に食べに来られますよね。来ないメーカーさんは全く来ませんから。僕が店で作る味は、いつも一緒じゃないんです。僕自身が厨房に立って毎日やっていくわけなので、ベースは同じでも、その日自分が作りたい味を枝葉の部分で変えています。茹で時間の調整とか、粉の配合も季節によって変えますから。そこを知っていただいているかどうかは、やっぱり大きいですよね。
澤田
僕は7年以上のお付き合いで、お店にもそれこそ100回くらいは伺っていますが、確かに毎回少しずつ印象が違いますよね。今日いただいたつけ麺は、以前より麺のもっちり感が増してるなぁと思いました。
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細かい部分まで理解していることが開発にも活きてくるでしょうし、妥協しない姿勢をお互いが持っているからこそ、二人三脚で進めていけるのでしょうね。
富田
僕はキンレイの麺を本当においしいと思っています。それをもっと知っていただくためには、冷凍食品全体の底上げが必要なのかなと。冷食=安くないとダメ、みたいなイメージがまだあって、その中で価値を付けるのはやっぱり難しいですよね。実際、キンレイ商品の中にも200円ぐらいでおいしいものってありますが、今回のプレミアムなんかはそれとは異次元のクオリティですよね。
宮井
ありがとうございます。キンレイ自体の知名度もこれからもっと上げていかないといけないと思いますし、おっしゃるように冷凍麺=安いというイメージがある中で、今回のプレミアムなので。この節目に富田さんとご一緒させていただけたのは非常にありがたいこと。私たちとしては、この商品の価値を一層広めていきたいという気持ちです。
澤田
店頭にないメニューでの挑戦にも関わらず、寛大に受けていただいたことに感謝しかありません。富田さんに納得いただける豚骨魚介ラーメンを作れたことは、我々にとって大きな意味があります。
とみ田さんとご一緒した商品は今までコンビニでしか買えませんでしたが、今回のプレミアムはスーパーに並びます。これまでとは違うお客様にも、キンレイが真心を込めた『とみ田』のうまさを味わっていただけたら本当に嬉しいです。
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普段は冷凍麺を買わないという方にも手に取っていただきたいですね。
富田
そうなんです。キンレイさんと私が本気で開発しましたので、味は絶対においしいです。コンビニでチンしてその場で食べられる、という商品に比べると、おうちで鍋を用意して……というひと手間はかかりますけど、逆にいうとそのひと手間だけで、本当にうまいラーメンが食べられるんです。
いいものだからこそ、売上でも結果を出したいですよね。「冷凍食品の中では売れている」じゃなくて、冷食の壁を超えたい。その数字は「多くの方に喜んでいただけた」という証ですから。
宮井
「おなかいっぱい!という満足感も重要」という富田さんのお考えで、今回、麺の重量も増やしました。具もかなり豪華なので、「とみ田の濃厚さ・ボリューム感」がお好きな方にもきっとご満足いただけると思います。
富田
冷凍食品だけを食卓に並べるのって、何となく心が寂しい感じがするかもしれませんが、今回の商品はね……
澤田
寂しくはない、ですよね?
富田
全然寂しくない! 今回のは400円ぐらいですか? めちゃ安いですよね。
澤田
この商品をきっかけに、もしかしたら……
宮井
「冷食の壁」を超えられるかもしれない!
富田
いや、ホントにそうですよ。とにかくみなさん、ぜひ一度食べてみてください。本当においしく仕上がっていますので。

店舗情報
中華蕎麦 とみ田
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2006年創業。千葉県松戸市に店を構えながら、最長で4時間待ちの行列が生まれるほどの圧倒的な人気を誇るラーメン店。行列が常態化した結果、完全予約制へと移行したが、予約枠は毎回受付開始から数分で即完売する。さらに、日本最大級のラーメンイベント「ラーメン日本一決定戦」で日本一に輝き、ラーメン業界最高峰とされる「TRYラーメン大賞」では4連覇を達成し殿堂入り。数々の輝かしい受賞歴を持つ名店である。
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ふわっととけるワンタンめん心に残る一杯を
カドヤ食堂・橘和良さんの飽くなき探究心と真摯に向き合い、キンレイ渾身のワンタンめんがついに完成。開発担当・齊藤と橘さんの対話から、「本物のおいしさとは何か」を紐解きます。
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飯田商店と挑んだ最高峰の一杯
この一杯で幸福を届けたい──「最高峰のラーメン」と称される飯田商店のおいしさをプレミアムな冷凍麺に。若手ふたりを中心とした開発部の飽くなき探究心、その結末とは……