おいしさをより多くの人に
届けるために。

発見 20

開発部がつくったレシピを工場で具現化する生産技術。キンレイのおいしさはどのように安全・安心・安定のラインに乗って届けられているのか。

キンレイ 生産部・内山

工場で品質管理業務を担当し、FSSC22000認証取得や「キンレイものづくりマニュアル」の文書作成に携わる。2022年からは生産技術チームとして開発部門と工場を適切に繋ぐため日々邁進している。食べることが大好きで、月に一度の昼飲みや食べ歩きも楽しんでいる。よりおいしく楽しく味わうために6年間ホットヨガを継続中。体調管理や気分転換にも役立ち、今では欠かせない習慣に。食と健康のバランスを大切にしている。

レシピを量産できる味に仕上げる技術

内山さんのチームは、工場で具現化する重要な役割を担っているそうですが、どのようにキンレイのおいしさを形にしているのでしょうか?

私たち生産技術チームは、開発部が作ったレシピを「安全・安心・安定」の観点から、工場の生産ラインに落とし込む役割を担っています。
開発時にフライパンでつくる少量の試作品と、工場の大きな釜で大量につくる製品では、どうしても差が出てしまいます。火力や調理時間、水分蒸発率などを調整し、1日の生産食数から必要な原材料の量や仕込み時間なども算出し、効率的な生産フローを構築しながら、レシピを最適化しています。
また、小規模テストしたレシピでも、初回生産で1時間ほど工場で生産すると、テストではわからなかった課題が見えてくることがあります。
例えば、今回のプレミアムライン商品では鶏油を多く使用するため、内袋包装供給装置にオイルの付着が多かったり、ワンタンの盛り付けが難しく、麺や具材のバランスが崩れないような工夫が必要でした。また、新しい包装資材はフィルムの端がくるんと丸まる特性がありますが、うまく包装できるよう、現場担当者が調整し対応しています。このような不安要素を、本生産までにクリアしていくのが私たちの仕事です。

同じ間違いを繰り返さない仕組みが、安全・安心をつくる

工場での生産には予期せぬ問題も起こるのですね。そうした課題に対し、キンレイではどのように対応し、おいしさの信頼性を守っているのでしょうか?

私たちは、発生した問題とその対策を記録し、同じ不具合を二度と発生させない体制を構築しています。不具合を失敗として終わらせず、原因を究明し、次の生産時や、別の製品をつくるときにはハザード分析などを通じて再発防止に努めます。不具合からの学びをため続け、できる限りロスが起きないよう奮闘しているんです。これは会社の貴重な資産となっています。

震災からの復旧と、異文化を越える理念と現場力

これまでの経験の中で、特に印象に残っている出来事はありますか?

2011年3月、東日本大震災が発生した時のことです。当時、私は入社して半年、筑波工場で品質管理を担当していました。
工場は天井や壁が落ち、冷凍倉庫の棚も崩れて商品が破損しました 。ショックを受けてどうしていいかわからなかったのですが、当時筑波工場に常駐していた和田COO(現特別顧問)のリーダーシップのもと、「お客様が待っている」という思いで、わずか3週間後には生産を再開したんです。社員・準社員・パート従業員と地域のパートナー企業の方々が一丸となって、復旧作業を行ったスピードには本当に驚きました。
また、キンレイの工場では、様々な国のスタッフが生産を支えています。大阪工場では調理加工スタッフの約8割が技能実習生です。彼らは消毒などの手順・衛生ルールを徹底し、工程表を見ながら熱心に業務に取り組んでくれています。2018年から実習生の受け入れを開始し、今では先輩実習生が後輩を育てる仕組みも確立されています。企業理念を多言語で掲示し、おいしいものをつくるという想いのもと、キンレイの哲学がすべてのスタッフにも伝わるよう工夫しています。

生産部
多言語で掲示されている企業理念

もっとたくさんの人に、おいしいを届けたい

生産技術チームマネジャーという立場から見て、キンレイのおいしさを支える社風や、今後のポテンシャルについてどのように感じていますか?

元々は品質保証部門で、外部情報を自社に取り入れ現場の困りごとを解消したいと思っていましたが、管理職になり、様々な部門との関わりが増えたことで、他部門の状況が見え、自分の視野が広がるチャンスになりました。現在は、生産技術を究め、工場で安全・安心・安定した生産を継続しておこなえるようにしたいと思っています。
キンレイの強みは、おいしいものをつくるために、各部門が連携し、自分の役割を超えて協力し合う文化があることです。工場スタッフも機械的に作業するのではなく、各製品に込めた想いを理解した上で仕事に取り組んでいます。すべてのスタッフが誠実に真心を込めて製品づくりに取り組んでいると感じます。
ただ、キンレイの商品はまだまだ知られていないので、その分、大きな伸びしろがあると感じています。ありがたいことに、キンレイの商品を食べて「おいしくない」という人を聞いたことがないので、もっとたくさんの人に、一度でいいのでスーパーやドラッグストアで見かけた時には、食べてもらいたいと思っています。
キンレイの商品には、開発の工夫、原材料へのこだわり、そして現場の丁寧な技術と姿勢が詰まっています。もっとたくさんの人に、安心して楽しんでもらえるよう、私たち生産技術チームは現場から支え続けていきます。

生産部

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