累計2億食「お水がいらない」はなぜ生まれたの?
発見 24
累計販売2億食を超えるヒット商品『お水がいらない』シリーズ。「安ければ売れる」が常識だった時代にあえて味にこだわり、本当においしい一杯を追い求めた15年分の挑戦物語です。
「誰がつくっても必ずおいしい」という価値
夏休みや冬休み、子どもが家にいる時間が長くなると、ごはんづくりは本当に大変です。思わず「自分でやって勝手に食べて〜」と言いたくなることもあるでしょう。
そんなときに頼りになるのが、キンレイの『お水がいらない』シリーズ。実際に「子どもでも簡単につくれて助かっています」という声を多くのお客様からいただいています。もちろん、お子さんがいない家庭でも状況は同じ。「一日中働いて、もうぐったり。今日は買い物も外食もしたくない。おいしいものをさくっと用意して家でのんびり食べたい」「なんだか風邪をひきそう。温かくて消化のいいものをさっと食べてから眠りたい」──『お水がいらない』はそんな日常に寄り添いながら、長年愛され続けてきました。
袋から出してそのまま鍋に移し、火にかけるだけで、麺も具材もスープも整った一杯が完成する。
水を量ったり、別々にわかしたり、具材を追加したり、というちょっとした手間すらもなく、ただ温めるだけで誰でもおいしく仕上げられる。
おいしさに妥協しないのはキンレイが創業以来守り続けているこだわりですが、それだけではなく「誰がつくっても必ずおいしい」という手軽さも冷凍食品の大切な魅力。その両方を満たしてきたからこそ、世代やシーンを問わずみなさまの暮らしに寄り添い続けてこれたのです。
「安ければ売れる」に抗って、品質を上げ続ける
「キンレイといえばアルミ容器入りの鍋焼うどん」。そんなイメージを持つ方も多いでしょう。実際、アルミ容器の冷凍麺は長らくコンビニ市場で圧倒的なシェアを誇ってきました。
ところが量販店向けの商品では、思うような成果が出せていませんでした。当時の市場は「安さが一番」という空気に支配され、低価格競争は当たり前。品質に多少妥協してでもコストを下げることが求められていたのです。
しかしキンレイは、あえてその道を選びませんでした。
「冷凍でもお店の味を届けたい」という信念を持ち続け、おいしい麺料理を届けることこそがキンレイのアイデンティティ。その象徴のひとつが、お水を足さずにそのまま使える「ストレートスープ」です。
冷凍技術に強みを持つ私たちだからこそ、ひきたてのだしの香りや旨み、コクをそのまま閉じ込めるストレートスープにこだわりたい。そう考えたのです。
そうした日々の積み重ねが、やがて『お水がいらない』の誕生へと繋がっていきます。
「お水がいらない」誕生の舞台裏
キンレイにはすでに「三層構造」を生み出した実績がありました。スープ・麺・具を別々の層にして冷凍するというこのアイデアによって、商品はすでに「お水がいらない」状態になっていたのです。
それでも、思うような売上には繋がらない日々が続きました。
商品自体のブラッシュアップを続ける一方で、営業部では「味には絶対の自信があるのに売れないのはなぜか」をテーマに議論を重ねます。
出てきた仮説は「商品がいけないのではなく、その価値が十分に伝わっていないのではないか」ということ。
では、何をどう伝えればいいのか。お客様の目に留まり、思わず手に取りたくなるような「わかりやすい価値」とは、一体何なのだろうか…あらゆる角度から試行錯誤を続けた結果、「もっとシンプルに考えてみよう」と改めて立ち位置を見直してみたのです。
そうして、営業現場で説明するときに自然と使っていた「お水はいらないんです」という言葉に注目。さらに議論した結果、この言葉こそが商品の本質を最も端的に表している。これだ、これでいってみよう!と確信しました。こうして誕生したのが『お水がいらない鍋焼うどん』。
2010年に発売され、期待を大幅に上回る大ヒットとなりました。

便利さとおいしさに寄り添いながら、これからも
2014年には『お水がいらない ラーメン横綱』を発売。60回以上の試作を経て完成したこの商品は、冷凍ラーメン市場を切り拓き、キンレイにとっては鍋焼うどんに続く「第2の柱」を築く存在となりました。
『お水がいらない』は単なる一商品の枠を超え、キンレイのブランドを象徴するシリーズへと進化しました。
その背景には、価格に妥協せず、品質を守りながらお客様にとっての価値を考え抜く姿勢があります。ひとりの時間も、家族が集まる時間も。温めるだけでお店のような味を楽しめる一杯があること。
これからも『お水がいらない』は、日常の中で「あってよかった」と思える、ほっとする存在であり続けます。
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