キンレイが描く
未来予想図とおいしさの約束
発見 38
創業50周年を記念して制作した「未来予想図」。全社員の声から生まれた一枚の絵には、未来へ向けた私たちの想いと約束が込められています。
キンレイ 営業部・山口
2023年入社。現在はCOOPチャネルでPB商品の企画・開発・販売と北海道エリアでの量販商品販売を担当しています。最近念願の博多とんこつラーメンの商品化が実現しました。次は博多やわらかうどんを作りたいと願っていますが実現はなかなか難しそうです。
過去を振り返るだけではない、未来を描く意義
なぜ50周年の節目に、過去の歴史だけでなくあえて「未来」を描こうとしたのでしょうか?
キンレイは創立50周年を迎えるにあたり、事業の一環として社史の編纂をスタートさせました。当初の目的は、半世紀にわたる私たちの歩みを記録し、これまでの歴史を社内に向けて振り返るインナーブランディングの意味合いが強いものでした。現在働いている社員や、これから新たに入社してくる仲間たちに、キンレイがどのようにしてお客様に「おいしさ」を届けてきたのか、その変遷を知ってもらうためです。
しかし、制作を進める中でプロジェクトメンバーたちの中にひとつの葛藤が生まれました。それは「過去の事実を淡々と並べただけの、いわゆる『教科書』のような社史を作ってしまってよいのだろうか」という思いです。歴史的な事実をまとめることはもちろん大切ですが、ただ昔を振り返るだけの読み物になってしまっては、そこから得られる学びも限られてしまい、結果的に読まれなくなってしまうのではないか、という危機感がありました。
そこで50周年委員会は、過去の歴史をわかりやすく伝えることだけにとどまらず、プラスアルファの企画として「今の社員の想い」や「キンレイの未来像」を表現することにしました。過去から現在、そして未来へ。今のキンレイで働く私たちが、50年後の未来をどのようにワクワクしながら描いているのかを可視化することで、記録集ではない、未来に向けたメッセージになればと考えたのです。
過去を知り、「そうだったんだ」で終わらせるのではなく、これから一緒に働く仲間たちも含めて「未来に向けて一緒に頑張っていこう」と気持ちをひとつにできるようなものを作りたい。そんな若手社員を中心とした熱い思いが、「未来予想図」という一枚の絵を生み出すきっかけとなりました。

全社員の思いが交差する、323通りの未来
この未来予想図は、どのようなプロセスを経て一枚のビジュアルに落とし込まれたのでしょうか?
未来予想図の制作にあたって私たちが一番大切にしたのは、全社員の想いをすくい上げることでした。まず、各部門長の協力を得て全社員に向けてアンケートを発信し、「50年後のキンレイにどうなっていてほしいか」「どんな技術や商品があったら面白いか」というアイデアを募りました。その結果、323個ものアイデアが集まったのです。
集まった323個のアイデアは、「時間軸」と「実現性」で分類していきました。せっかく50年後の未来を考えるのだから、今すぐ実現できそうな現実的なアイデアではなく、あえて「実現難易度が高く、50年後にはこんな技術があったらいいよね」と思えるような、少しぶっ飛んだアイデアを中心にピックアップすることにしたのです。
言葉で書かれた数々のアイデアを一つの絵に落とし込む作業は、想像以上に困難なプロセスでした。約半年という長い時間をかけ、何度も議論を重ねながら少しずつ形にしていきました。この過程で何より嬉しかったのは、普段の業務の中ではなかなか口に出す機会のない「キンレイはこうあるべきだ」「こんな商品を作りたい」という社員一人ひとりの秘めた想いが言語化され、全社で分かち合えたことです。この未来予想図は、キンレイ社員全員の頭の中にある「おいしさへの探究心」を抽出した結晶だと言えます。

キンレイらしさが息づく、未来のアイデアたち
完成した未来予想図の中で、特に「キンレイらしさ」が現れているこだわりポイントを教えてください。
この未来予想図には、大きく分けて4つのエリアが描かれていますが、そのどれもが私たちの事業への向き合い方や、食に対する哲学から派生しています。社員の思いが特に強く反映された、いくつかの印象的なアイデアをご紹介します。
まず一つ目は、「キンレイファームとエネルギーの自社調達」です。現在でもキンレイは原材料に強いこだわりを持っていますが、50年後には麺に使う小麦の栽培から自社で行い、完全な自給自足を実現したいという夢が描かれています。また、工場のエネルギーを自然から調達し、環境負荷をゼロにするというアイデアも盛り込まれました。さらに、冷凍技術が極限まで進化することで「賞味期限のない商品」が生まれ、食品ロスという概念そのものを無くす未来も描かれています。これは、私たちが地球環境を守りながら、安定して良いものを提供し続けたいという強い意志の表れです。

二つ目は、「10段凍結と100万円のプレミアムうどん」に代表される技術の探求です。現在のキンレイの強みである、スープ・麺・具材の「三層構造(二段凍結)」がさらに進化し、より細かく凍結を分ける「10段凍結」へと昇華しています。そして、世界各国の食が集まる国際品評会で「100万円のプレミアムうどん」が評価されているシーンもあります。これは、冷凍食品という枠を超え、究極の品質とおいしさを世界に向けて発信していくという、私たちの果てしない技術へのロマンです。

三つ目は、「味のアーカイブ事業」です。私たちはこれまで、名店と呼ばれるお店や料理人の方々から多くのことを学び、その味を大勢のお客様に届けるための「再設計」を行ってきました。この循環の中で培われたレシピや設計図をアーカイブ(保存)しておくことで、数十年後にも当時の名店の味を再現し、後世に伝えていくことができるのではないか。キンレイが食文化の発展と継承に貢献するという、未来に向けた大きな使命が込められています。

四つ目は、「和食スローフードの象徴」と「真心の手仕事ロボット」です。未来になればなるほど、一粒の錠剤で完全な栄養が摂れるような、究極の効率化が進むかもしれません。しかし、私たちはあえてその「逆」を提案します。調理の手間は私たちが引き受けるからこそ、お客様には食事の時間をゆっくりと楽しんでほしい。そのために、職人の細やかな手仕事をそのまま受け継いだ「真心の手仕事ロボット」が、心を込めて商品を作ります。「ロボット」でありながら「手仕事」と名付けているところに、キンレイらしい発想が表れています。非効率であっても、料理の楽しさやおいしさを味わう時間を提供し続けることこそが、私たちの存在意義です。

そして最後に、私たちが最も大切にしている「0歳から100歳まで」というテーマです。離乳食を食べる小さなお子様から、老後を迎えたご年配の方まで、人生のあらゆるステージにキンレイの商品が寄り添っている未来。どんな状況にある方にも、健康で、手軽で、そして何より「おいしい」料理を届けたい。そんな願いが込められています。

未来予想図に描かれたこれらのアイデアは、決して絵空事ではありません。これらはすべて、現在私たちが抱いている「おいしさとは何か」という問いに対する答えであり、50年後のお客様に向けた、キンレイからの約束なのです。
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